日記・ログ

続・育児日記 〜番外編1〜



2010/06/27
本日、私はフィニが更地にした庭の手入れをしておりました。
何やらただならぬ気配を感じ辺りを見回した所、一本の木の股に赤子が一人眠っていたのでございます。
このこども、何故か無性に愛らしさを感じない赤子でございました。
正直、私には毛ほどの興味もございませんでしたが。
私の小さい坊ちゃんにおかれましては、目に入れても痛くはない程に愛らしいと云いますのに。
ですが、そのまま坊ちゃんのお屋敷内で放置するわけにもいかず室内にお連れしたのですが、一体何者なのでしょうか。
可愛らしい私の坊ちゃん達はお二人共、その赤子を気にかけていらっしゃるご様子で…
気にかけて貰えない私は少々寂しさを感じた本日でした。 S.M



2010/06/28
未だに目覚めることのない昨日の赤子でございますが。
あのガキ こども、何て寝相の悪い。目を離した隙に私の坊ちゃんの傍に転がって、
あろうことかあの柔らかい極上のお肌に吸いつくなどと…赤子と云えども許しがたい行為です。
あの頬は私のものだと云いますのに。
只でさえ坊ちゃんのご機嫌が宜しい時でないと触れることも出来ないあの頬を私の目の前で奪うなど言語道断。
取り乱す私を眺めては「お前、大人げない…」と冷めた視線を送る坊ちゃんも酷いじゃありませんか。
坊ちゃんにはもっと貞操観念を身に付けていただかなくてはなりませんね。
私以外の者に肌を許すなど許せる筈もありません。
大人げない?上等です。坊ちゃんの為、大人げなく嫉妬くらいできなくてどうします? 
さて、あの赤子…どうしたものか…。 S.M



2010/06/29
あの赤子、坊ちゃんに抱かれる時には幸せそうに身体を擦り寄せるのですが。
私が抱く時にはそれはもう大層嫌がって坊っちゃんのお名前をお呼びになります。
いけすかないこどもですね、まったく。
大体、私とてこのようなガ…こどもの面倒をみるなど勘弁していただきたい心境なのですが、
それも坊っちゃんのご命令となれば致し方ないですね。
それはそうと、この赤子、もう3日3晩飲まず食わずで眠ったままでございます。
惰眠ばかり貪って、だらしないですね。
嗚呼、私の坊っちゃんのお可愛らしい寝顔でしたら365日飽きずに見つめていられますのに。
この赤子も明日には目覚めるでしょうか。 S.M



2010/06/30
本日、坊っちゃんは明日行われる真夜中のパーティーの出席に向けて準備を進めていらっしゃいました。
私も坊っちゃんと深夜のお出掛けという事で、色々と期待…いえ、準備をしておりましたが。
どうやら坊っちゃんは幼い坊っちゃんと共にあの赤子まで一緒に連れて行かれるご様子で、惰眠を貪っていたあのこどもを起こしておりました。
まさかとは思っておりましたが、やはりアレはどこか別の世界からやってきたもう一人の私のようでございます。
坊っちゃんのご命令を幼いながらに遵守するその姿勢は流石私といったところでしょうか。
しかし、どうにも微妙な心境ですね。
夜会はどうやら幼い子どもは参加できないとのお達しがあり、小さい坊っちゃんと赤子姿の私は使用人達に任せることになったのですが…
果てしなく心配でございます。
まぁ、幼いとは云え、私が坊っちゃんのお傍に居れば大丈夫でしょうけれど。
嗚呼、しかし、それはそれで別の意味で心配でございます。
丸一日、何事も無ければ良いのですが。 S.M



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